都内の博物館や美術館は夏休みの子供たちのためにわくわくするような企画を用意してくれています。
我が家は宇宙好きの長女が新聞の広告で見つけた、日本科学未来館の『深宇宙展』に行ってきました。
広告の写真もとても魅力的でしたが、なにより『新宇宙』ではなく『深宇宙』という言葉に驚き興味が沸きました。
空を見上げるのが好き、宇宙が好き、知らないことを知るのが好きという方におすすめの企画展です。
初日がどんな様子だったのかレポートします。
日本科学未来館とは

2001年7月に開館した日本科学未来館は、開館技術の理解を深める拠点として開館した国立科学館です。
大人から子供まで体験を通して学び、知見を深めることができます。

開館時間・入館料
※企画展のチケットを購入をされている方は常設展にも入場できます。
アクセス
ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル駅」、「テレコムセンター駅」から徒歩5〜6分と同じくらいの距離です。
過去にも何度か来館しており両駅から歩いてみましたが、テレコムセンター駅からの方が木陰も多く、広場の中を通れるので近く感じました。
企画展『深宇宙展〜人類はどこへ向かうのか〜』とは

深宇宙展とは「To the Moon and Beyond」をテーマに、人類の宇宙開発と最前線、そして深宇宙の謎に迫る展覧会です。
月面探査、火星探査、そしてその先の深宇宙へと、人類がどのように挑戦しているのかを、実物展示や体験型展示を通して紹介しています。
『深宇宙展』のチケット
当日券 | 団体(8名以上) | |
---|---|---|
大人(19歳以上) | 2200円 | 2000円 |
18歳以上(中学生以上) | 1400円 | 1200円 |
小学生以下(4歳以上) | 700円 | 500円 |
※3歳以下無料。
※企画展のチケットで当日、常設展も見ることができます。
日本科学未来館のチケットブースまたは、各チケットサービスで販売されています。
我が家はアソビューをよく利用するのでアソビューで購入しました。
\ 「深宇宙展」のチケットはこちら /
1章 宇宙開発の最前線

入り口には人類の宇宙開発にまつわる歴史が出迎えてくれます。
ここを通るとまずショートムービーのゾーンがあり、ゾーンを抜けるといよいよ『深宇宙展』のはじまりです。

展示ゾーンに入ると大きな「H3 ロケットフェアリング」が出迎えてくれます。
大きなロケットにワクワク感が高まります。

一際目を引くこの大きなロケットは「H3ロケット」といい、10年の月日をかけて開発された、日本の新しい大型基幹ロケットです。
「H3ロケット」の前で記念撮影をされている方もたくさんいました。

こちらの大きな破片は回収された実物のフェアリングです。
破片の表面の傷に衝撃の大きさが伺えます。

こちらはずらりと並んだ30種類の日本のロケット模型です。
日本のロケットってこんなにあるんだ!とびっくりしました。

1/30模型となっており、大きさの違いもわかりやすく、かっこいい模型に大人も子供も釘付けでした。
1955年にペンシルロケットから始まった日本のロケットの歴史を是非見てみてください。
記憶に残っている印象的なロケットはありますか?

並んでいたのは、実際のロケットの部品にさわれるコーナーです。
なかなかない機会なのでみなさん興味津々でした、

見た目と重さのギャップに驚きます。
いったいどんな素材が使われているの?! と驚きの連続です。

壁面にはロケットのどの部分に使われているのか解説があります。
実際のロケットに使われている部分がわかると、より想像が膨らみます。
どんな触り心地かな?

こちらは持ち上げるコーナー。
重いかな?軽いかな?

実物にさわれる機会はなかなかないので、是非 さわってみてください。

多くの人に知られている国際宇宙ステーション(ISS)は、15カ国が共同で建設した宇宙ステーションです。
地上約400km上空を周回し、宇宙空間での実験や研究、地球観測などを行っています。
模型を見ると想像以上のソーラーパネルがついていて驚きました。
日本科学未来館の常設展(5階 世界をさぐる)に国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙居住棟が展示されており、居住棟の外壁にはたくさんの宇宙飛行士のサインがあります。
こちらも是非見てみてください。


日本の民間宇宙ロケット開発も着実に前進しています。
ニュースでロケット開発に関することを耳にする機会も多くなりました。
近い将来は宇宙が身近になり、いまよりも宇宙に関わる仕事が増えるかもしれません。
壁面には宇宙に携わる仕事の紹介も詳しく書かれていました。

会場の天井には一際目を引く物体があります。
なんだこれは?と思っていたところ「ソユーズ宇宙船のパラシュート」と書かれていました。
2021年に前澤友作さんが宇宙旅行から帰還した際に使用したもので、その大きさにびっくりです。
表面積1000㎡もあるそうです。
これは是非実際に見て欲しいなと思いました。

こちらも2021年に前澤友作さんがISSを訪れた際に使用されたものです。
帰還モジュールには3人乗れるそうですが、これに3人乗るのっ⁉︎というサイズでした。
表面に残る跡でもわかるように、帰還する際の熱や衝撃から搭乗員を守るためにはこれだけの設備が必要なんだなと思いました。

宇宙服の展示もありました。
展示の仕方がカッコ良すぎます。
ロシア語でハヤブサを意味する「ソコル」と名付けられています。
実際の宇宙服を見ると本当に人類が宇宙に行ったんだ、と実感が湧きました。
2章 月に広がる人類の活動域

宇宙服なしで暮らし、移動できる月面の「動く活動拠点」です。
正面のお顔を見てびっくり。
『TOYOTA』の文字です。
有人与圧ローバーは日本が開発していることを初めて知りました。

とても大きいです。
2人の宇宙飛行士が1年のうち約1ヶ月を宇宙服を着ずに過ごすことができます。

横から見てもその大きさがわかります。
側面のソーラーパネルや、有人与圧ローバー専用の金属製タイヤも魅力的です。

後ろ姿も見ることができました。

こちらは手のひらサイズのかわいい月面ロボットです。
日本が開発した球体から変形し、走行と撮影ができるロボットです。
2024年1月に「SLIM」の着陸直前に月面に放出され、周囲を移動しながら「SLIM」の姿を撮影することに成功しました。
3章 火星圏探査

こちらは火星を体感できるムービーゾーンです。
映像が側面だけではなく床にも流れているので、本当に火星にいるような感覚になれます。

とても美しい映像に子供だけではなく大人も観入っていました。

こちらは日本の火星衛星探査計画「MMX」です。
火星衛生探査計画「MMX」は火星の衛星ファボスから試料を採取し、地球に持ち帰ることを目指しています。
この計画が成功すれば世界初のミッションとなり、火星圏の物質が初めて地球にもたらせることになります。
想像もできないほど遠くにある衛星の物質を採取するために、日々尽力している方々が本当にすごいなと思いました。

火星のレゴリスが入っています。
蓋を開けることはできませんが、半透明のボトルから色や質感を知ることができます。
※レゴリスとは大気がほとんどない天体の表面を覆う、細かく砕けた岩や塵の層のことです。

ボトルを持って重さも感じることができます。
火星のレゴリス、フォボスのレゴリス、月の海のレゴリス、月の高地のレゴリスがありました。

壁面のレゴリスの説明を読みながらみんな真剣に観察しています。
4章 さらなる深宇宙へ

第4章は今回の企画展のテーマである「深宇宙」です。
こちらの美笹深宇宙探査用 地上局アンテナは深宇宙と地球を結ぶ直径54mもある巨大アンテナで、2021年に運用開始され、JAXAの新たな深宇宙通信拠点です。
現在は「はやぶさ2」の運用を支えており、今後は火星衛星探査計画「MMX」や水星磁気圏探査機「みお」との通信にも使用される予定だそうです。

このエリアはたくさんの探査機の模型が展示されています。

はやぶさが持ち帰った小惑星「イトカワ」の粒子(実物)を顕微鏡で観察することができます。

小惑星探査機「はやぶさ」を耳にしたことがある方も多いと思います。
こんなカッコいい形をしていたんだと惚れ惚れします。

はやぶさ2が持ち帰った小惑星「リュウグウ」の粒子(実物)も顕微鏡で見ることができました。

すばる望遠鏡はハワイ・ムウナケア山頂域に設置されて、観測開始から25年を超えた望遠鏡です。
模型は中の様子も細かく再現されていました。
口径8.2mで同程度の望遠鏡は世界に10台ほどありますが、一度に観測できる視野の広さはその中でも群を抜いているそうです。

アルマ望遠鏡は日本を含む22の国と地域が共同で運用する、目には見えない電波を捉える電波望遠鏡です。
宇宙からの目に見えない電波を捉える?! という時点で一気に未来に来たかと思いました。

アルマ望遠鏡は、南米チリ北部のアンデス山脈の中 アタカマ高地にあります。
アルマ望遠鏡が観測する電波は水蒸気に吸収されやすいため、標高5000mの空気が薄く乾燥した広い台地のあるこの場所に設置されたそうです。

「XRISM」は、JAXAがNASAや欧州宇宙機関と協力して開発した日本の最新望遠鏡です。
宇宙における物質の循環やエネルギーの伝わり方を調べ、銀河の集合体である「銀河団」の成り立ちやブラックホールの謎に挑むとともに、どのように宇宙が広がっていったのかを明らかにしようとしています。
最後は「深宇宙へ」のショートムービーのゾーンがあり、企画展は終了となります。
グッズショップ

グッズは幅広いジャンルのものがありました。書籍・文具・アパレル・宇宙食・パズルなどバランスよくあります。
個人的に最高だったのは書籍です。
子どもから大人まで興味の湧くラインナップでした。
本屋さんで同じ本を探すとバラバラに置いてあるだろうものが集約されていて最高でした。

我が家の購入品はこちらです。
宇宙好きの長女はNASAのキャップとJAXAのキャップで悩みに悩んでJAXAのキャップを、パズル好きの次女は金星の立体パズルを、私は公式ブックを選びました。
おやつに藻からできているキャンディーも購入しました。
宇宙食の種類も多く選ぶのが大変でした。
おすすめの本
子どもも嬉しい『宇宙なんちゃらこてつくん』クイズ

展示の壁面に「宇宙なんちゃらこてつくん」のクイズがあります。
解説が難しいと感じる年齢の子も「こてつくんクイズ」で楽しめると思います。
混雑状況・客層

我が家が訪れたのは初日の土曜日、夏休みにはまだ入っていない時期です。
10時ちょっとすぎに到着しましたが、企画展入場時も並ぶことなく中もそれほど混雑していませんでした。
初日の午前中ということもあり関係者の方がたくさんいて、入場者の様子を見ていましたが時間が経つと関係者の方もほとんどいなくなりました。

子どもが多いかな?と思いましたが、想像以上に大人の宇宙ファンが多かったです。
内容も大人もじっくり楽しめる内容がたくさんあるので納得です。
宇宙への憧れが子供のときだけではなく、大人になっても続いていることが素敵だなと思いました。
まとめ
日本科学未来館は常設展だけでも大満足な施設ですが、企画展もとても面白いものが多いです。
深宇宙という言葉の魅力とともに、実際の人類の宇宙開発の歴史から未来の地球と宇宙について学ぶことができました。
実際に足を運ぶとよりたくさんの感動を味わえることができると思います。
是非 日本科学未来館 企画展「深宇宙展」へ足を運んでみてください。

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