国際協力で有名なJICAですが、一般の方もJICAを身近に感じることができる施設があるのはご存知でしょうか?
現在『多文化共生社会企画展 知らない私に出会う』が行われています。
JICA地球ひろばがどんな施設なのかご紹介します。
JICA(独立行政法人国際協力機構)とは

JICA(ジャイカ/国際協力機構)は、日本の政府開発援助(ODA)を通じて、世界の開発途上国を支援する公的機関です。
技術支援や資金協力、人材育成などを通じて、教育・医療・インフラ整備など幅広い分野で国際社会に貢献しています。
JICA 地球ひろばの基本情報

JICA地球ひろばは「見て・聞いて・触れる」体験を通じて、国際協力を楽しく学べる場所です。
施設内は3つのゾーンに分かれています。
1.体験ゾーン
実際に触れて学べる参加型展示で、開発途上国に関わる社会課題や国際協力の現場がリアルに体感できます。
2.食のゾーン J’s Cafe
エスニック料理や大使館お墨付きのメニューを提供しており、世界各地の食文化に触れながら国際協力を学べるコーナーです。
3.交流ゾーン(2階展示スペース)
来館者や登録団体による様々なイベントや研修、交流活動を行うためのオープンスペースです。
地球ひろばではエスニック料理を味わったり、SDGsをゲームで理解したりしながら、途上国や世界とのつながりを実感できます。

入り口に入ると広場に休憩スペースと特別展示があります。

椅子がSDGsの17の目標のアイコンになっていてとても可愛いです。
子どもたちもすぐに気がついて「あー!SDGsのだ!」と言っていました。

特別展示は『TICA9とアフリカ』でした。
アフリカの民芸品もたくさん置いてあります。

100円が返ってくるタイプのコインロッカーもあります。
体験型施設なので身軽で向かいましょう。
アクセス
JR中央線・総武線「市ヶ谷駅」徒歩10分
都営地下鉄新宿線「市ヶ谷駅」A1番出口 徒歩10分
東京メトロ有楽町線・南北線「市ヶ谷駅」6番出口 徒歩8 分

市ヶ谷駅を出て市ヶ谷橋を渡ると信号があります。
この信号を渡りマクドナルドの角を曲がります。

マクドナルドの角を曲がるとびっくりするくらい急な左内坂(さないざか)があります。
写真では伝わりにくいですがかなり急な坂です。

こんな急な坂に建っている建物すごいな〜なんて思いながら登ります。

坂の上からの景色はこんな感じです。
雪の日はどうしているんだろう?と思いを馳せながら向かいます。

少し歩くと防衛庁が見えてきます。
防衛庁を左手に見ながら道なりに右へ曲がります。

少し歩くとJICAの看板が見えてきます。

駅から徒歩10分と書かれていましたが、我が家は8分くらいで着きました。

窓ガラス一面の「JICA地球ひろば」の絵がかわいいです。

入口の看板からも多文化を感じることができます。
車椅子・ベビーカーの方はこちらから

左内坂はとても急なのでマクドナルドのもう一つ先の曲がり角を左折してください。

こちらの坂は左内坂よる緩やかに登ることができます。
多文化共生社会企画展『知らない私に出会う』

私たちは一人ひとり違う背景をや価値観を持ち、それぞれが違う世界を生きています。
違う世界や人々との出会いはときに不安で戸惑いがあることもありますが、その出合いによって新たな景色が見え、自分の世界が広がります。
そんな「違い」と「同じ」を見つける体験ができる企画展です。
子どもたちの企画展に行く前の『多文化共生社会』のイメージ
企画展に行く前に我が家の姉妹(小4・小2)に「多文化共生社会」のイメージを聞いてみました。

多文化共生社会ってどんなイメージ?



ちょっと漢字が多いな〜



ぜんぜんわかんない



そうだよね〜
漢字の文字の意味で考えると
「いろんな文化が一緒に生きていく社会」って感じかな?



なんかイイ感じの世界!



みんな なかよしな感じ♪
我が家はこんなテンションで現地に向かいました。
いざ体験ゾーンへ


入り口は正面玄関を入って左奥にあります。


スタッフの地球案内人の方にいつでも気軽に声をかけることができます。


入口のテーブルに釘付けです。
ここには子ども向けの本がたくさんあります。


テーブルの中にはコーヒー豆やシナモン・八角などのスパイスが入っていました。
どんなお料理に入っているかな?
全部わかるかな?
Zone1 違いに気づく『直感と発見のエリア』
やってみよう!
我が家は私と次女が左利きなのですぐにわかってしまいましたが、家族や身近に左利きの人がいないとなかなか出会わないものかと思います。


右利きの長女がやりにくさを感じながら挑戦です。


不慣れながらも、一生懸命頑張っていました。


初めての左利き用の調理器具に感動する次女。


とても楽しかったようで何度もやっていました。
アイテムで解決できるものはそんなに大きな弊害はありません。
最近は右利きでも左利きでもどちらでも使えるものが多い印象です。
大変なのは簡単にアイテムで解決できないものです。
例えばペットボトルのキャプや、握って回すタイプのドアノブ・蛇口に苦戦します。
特に小さな子はひねる方向がまだわからなかったり、力がないので正しい方向にひねっていても開かないので混乱します。
こうして右利き社会に適応していき、左利きでも右手が使えるようになっていく人が多いのかなと思いました。
各地の雑貨


各国の雑貨のコーナーです。
地球ひろばの凄いところは展示物に触ることができることです。
他の施設では見るだけがほとんどですが、自由に触って体験することができます。


日本では見ない雑貨に興味津々です。
是非 触ったり、香りを感じてみたりしてみてください。


我が家の姉妹がハマっていたのは「骨占い」です。
地球案内人のお姉さんにやり方を教えてもらいながら楽しみました。


遊び方も結果も初めてだらけの占いでしたが面白かったです。
是非 遊んでみてください。
SDGs


SDGsのコーナーでは世界の民族衣装が出迎えてくれます。


様々な国のことをいろんな視点で学ぶことができます。


SDGsについてざっくりとは知っていても細かいことはわからないことが多いかもしれまん。


ここでは映像でもわかりやすくSDGsを学べます。


こちらのタッチパネルで地球儀を動かすことができます。


子どもはこういうタイプのもの好きですよね。
地球で起きていることをわかりやすく学ぶことができます。


展示でもわかりやすく学ぶことができます。
展示と一緒に置いてある民芸品も見どころです。


なんて鳴いているかな?


こちらは同じ鳴き声でも国によって聞こえ方が違うことを体験できるエリアです。


何ヵ国語の鳴き声を知っていますか?


子どもに大人気間違いなしのエリアです。


いくつ覚えて帰れるかな?
JICA 図書館


ゾーン1とゾーン2の間にJICA図書館があります。
こちらは予約制で大人向けの本がメインだそうです。


子ども向けの本は「地球ひろば 横浜」にたくさんあると教えて頂きました。
Zone2 違いを知る『認識と理解のエリア』


こちらをくぐると右手に受付があり、スタンプラリーの台紙をもらえます。


ひとつのゾーンが終わったらスタンプを押せます。
パネルに書かれている『問い』にも注目しながらスタンプラリーしてみてください。


Zone2は世界の『言葉』にまつわることを学ぶことができます。
日本の中でも方言によって大きく違うことがありますが、世界は広く、驚いたり、思わずクスっと笑ってしまうものまでありました。




スタンプラリーの台紙の下に、ラオス語のスタンプで自分の名前を押せるスペースがあります。
ラオス語の文字を初めて見ましたがとても可愛いです。
是非 チャレンジしてみてください。


同じとされるものでも国によって、そのものが身近なものかどうかで大きく変化することがわかるコーナー。


こちらは同じとされるものでも性質や状態で変化することがわかるコーナー。


こちらは砂漠の砂を触れるコーナー。
アラブ諸国のトーブの衣装がお出迎えです。
我が家では昨年 夫がサウジアラビアに出張に行きトーブを買ってきて、普段もよく着ているので馴染みの民族衣装です。
子どもたちもトーブの衣装を見るなり父の名前を叫んでいました。
洗濯も意外と簡単でアイロンをかけなくても干すだけでピン!となる優れものです。


真剣に何度も触っていました。
姉妹の感想は「サラサラで気持ちよかった〜。」です。
手で触るのはとても気持ち良いですが、この上を歩くのは大変そうだな〜と思いました。


写真を見たり、音を聴いたりして想像するコーナーです。
びっくりする答えがたくさんありました。


「違うって面白い!」を噛み締めながら次のゾーンへ。
Zone3 マイノリティになる『体験と共感のエリア』




自分が会社の社長だったら誰を採用する?のコーナー。
これは会社の規模や、職種、地域などによって大きく違うな〜と思いながら投票。
みなさんはどんな会社をイメージして投票しますか?


メキシコでは挨拶の時間に15分から30分かけるというびっくりなお話。
日常の挨拶からこんなに違うのかと驚くばかりです。


こちらはメキシコの挨拶のようにハグができる人形です。
是非メキシコの挨拶をイメージしてハグ体験してみてください。


他の国の仰天エピソードもたくさんあります。


「あなたならどうしましたか?」の問いを胸に次のゾーンへ。
Zone4 共に生きる『共生と希望のエリア』




アフリカなど開発途上国に技術を伝える事例として「改良かまど」が展示されています。
人々の生活向上に役立てられています。


とりまく環境も違ければ、習慣も違います。
衛生というものに対する考えが違う地域に、手洗いの習慣を根付かせる活動です。


石鹸手洗いは安価で高い効果のある感染対策ですが、世界ではいまも家に手洗い設備のない地域がたくさんあります。


電気の届かない地域では昼間も室内が暗い家があります。
協力隊員の作ったペットボトルライトで室内を明るくすることができ、昼間も室内の清掃ができるようになり感染源である虫が住みにくい環境を整えるのに役立ったそうです。


暗い中でのペットボトルライトはかなり明るいです。
子どもも「なんで〜?」と言いながら仕組みを見ていました。
日本でも災害時などに使えそうだなと思いました。


環境や考えなど「違いを乗り越えるって大変!」を感じながら、次のゾーンへ。
Zone5 共生をつくる『思考と対話のエリア』




こちらは画面をタッチすると世界のあいさつを聞くことができるコーナーです。
姉妹は迷わずサウジアラビアの挨拶をしていました。
画面から「アッサラーム・アレイコム」と言われると、「アレイコム・アッサラーム」と返答できていました。
コミュニケーションの始まりであるあいさつを知ることは、相手を知ろうとする第一歩だなと思います。




地下鉄のユニバーサルデザインの紹介です。
地下鉄のナンバリングはとてもわかりやすいですよね。
海外の方のみならず子どもにもとてもわかりやすく、漢字が読めなくても「何番で降りるよ」や「次は赤い丸の電車に乗るよ」など伝えられてとても便利です。


ピクトグラムは1964年の東京オリンピックで公式に使われ世界に広まったそうです。
そんなピクトグラムも時代を超え、2021年に開催された東京オリンピックの開会式で競技を表すピクトグラムのパフォーマンスがありました。
子どもたちも一緒に楽しめたのでとても記憶に残っています。
いまでは世界中でピクトグラムは使われていますね。


ピクトグラムを作れるコーナーがありました。
みなさんでしたらどんなピクトグラムを作りますか?


長女の考えた「とてもせまいです。」のピクトグラム。
他にもたくさん面白いピクトグラムがありました。


こちらは目の不自由な方も使える共有玩具の世界地図パズルです。
我が家にも同じ物がありましたが共有玩具だと知りませんでした。
おもちゃを選ぶときも新たな視点で選ぶことができそうです。


「あなたの答えは?」を考えながら次のコーナーへ。
JICAの取り組み






子どもは大きい地球儀に釘付けです。
地球儀はいくつになってもみんな大好き。


一生懸命支えているのが人でにっこり気分になりました。


JICAの海外協力隊60年のあゆみの展示があります。
戦後80年のいま、海外協力隊の歴史が60年もあることに驚きました。
自国の復興から高度経済成長を遂げ、海外への協力まで、本当に先人たちのあゆみは凄いです。


世界の楽器も手にとって楽しむことができます。
子どもは音が出るものはすぐにハマります。
YouTubeでカリンバでJ-POPを演奏する動画を観たことがあったので、カリンバに触れることができて喜んでいました。


平面でも立体でもできるSDGsパズルがありました。
立体は難しかったですが面白いので挑戦してみてください。


世界には安全な水を確保するのに毎日何時間もかけて汲みに行く地域があります。
ここは重い水を汲んで歩く体験をできるコーナーです。


ほんの数分の体験でも「もう無理〜!」と言っていました。
蛇口をひねれば安全な水が出てくるのが当たり前ではないことを学ぶことができます。


世界各国のSDGsの達成状況を知ることができます。
気になる国はどのくらい達成できているでしょう?1位の国は?日本は?
是非 遊びに行ってチェックしてみてください。


世界の民族衣装を試着できるコーナーです。
どこの国の物かわかるようにプレートが付いており、どこの国のだろう?とクイズをしながら見るのもおすすめです。
衣装はサイズが大きいですが、帽子は小さい子も楽しめます。


フォトスポットもあるので是非 民族衣装を着て撮影してみてください。
アンケートに答えるとノベルティがもらえます


受付カウンターにQRコードを読み込んで答えるアンケートがあります。
こちらに答えるとお好きなノベルティがもらえます。
※子どもの分も親の携帯でアンケートに答えることができます。


我が家はSDGsのアイコンバッジにしました。
それぞれ好きなアイコンを選ばせてくれました。
実際に施設を利用している年齢層
我が家が訪れたのは日曜日の10時です。
開館時はほとんど人はいませんでしたが、しばらくすると祖母・両親と小学生の家族や、赤ちゃんと3〜4歳くらいの子を連れた家族がいました。
お昼近くになると高校生や大学生くらいのグループも来館しており、帰るときには団体バスが到着して高校生くらいの団体が入館していました。
年齢設定は中高生のようですが、実際に訪れている年齢層も幅広くそれぞれが、それぞれの楽しみ方をしていると感じました。
どの年代でも学ぶことが多い施設だと思います。
緒方貞子メモリアルギャラリー


JICA施設内には「緒方貞子メモリアルギャラリー」もあり自由に見学することができます。
自分の想いを画面に映し出すこともできました。


長女の言葉。
今日の体験を通して感じた気持ちのようです。
是非、JICA地球ひろばへ遊びにきた際は「緒方貞子メモリアルギャラリー」へもお立ちよりください。
企画展を楽しんだあとの多文化共生社会のイメージ



今日はどうだった?



盛りだくさんだった!



たのしかった♪
水のがたのしかった!



多文化共生のイメージなにか変わった?



なんかもっとイイ感じになった!!



たのしいかんじ!
我が家の姉妹もそれぞれでなにか感じたようです。
これからの生活で「あ!あのときの!」の経験に繋がるといいなと思います。
全国のJICA拠点・体験型施設・オンラインツアー
全国に15箇所のJICA拠点・8箇所の体験型施設・資料館があります。
スタッフの方に横浜の施設には子ども向けの本がたくさんあると教えてもらったので、是非遊びに行きたいと思います。
全国に広がるJICAの施設に是非 足を運んでみてください。
実際に行くのが難しい方もオンラインツアーも行っているので是非 参加してみてください。
まとめ
今回の企画展は、子ども時代に『多文化共生』というものが身近ではなかった世代に是非おすすめしたい企画展でした。
私自身 子ども時代に携帯電話やインターネットはなく、道を歩いても学校にいても多文化を感じることはほとんどありませんでした。
そんな世代が、これからの多文化共生社会をどう生きるのかを考えるきっかけになると思います。
いっぽう子どもたちは生まれたときから携帯電話もインターネットもあり、情報が溢れています。
保育園でも学校でも道を歩いていても多文化を感じることがあり、友達が困っていたら手を差し伸べるのが日本の友達であるのか、そうでないのか、の違いくらいの感覚になのかもしれせん。
きっと親世代よりも軽やかにこの多文化共生社会を生きていくことでしょう。
ふだん真剣に向き合うことがないことかもしれませんが、知らない私に出会いに行ってみませんか?
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